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「君に暴れられると、並の女性じゃ歯がたたないだろうから、
恥ずかしいとは思うけど立ち合わせてもらうよ」
「あんた、相変わらずね。
あんたには前に一度見られてるし今更どうこういうことでもないわ」
あくまで僕には弱みなどを見せたくないらしい。
キッとこちらを睨んで不敵に笑う。
神根島で僕に縛られた時と同じように。
ああ、彼女は信じているんだ。
あの時と同じように。
そう、ゼロが助けに来ることを。
君だって裏切られたのに。
逃げたのに。
ルルーシュだったことに失望したくせに。
でも彼女が信じているのは『ゼロ』という"記号"ではなく
確かに生きている誰かであることを
美しい裸体が示していた。
首筋に小さな、だけど幾つも欝血の跡。
首筋だけではない。体中いたるところにある。
彼女は自分のものだといわんばかりの、所有痕。
「それ……、ゼロ?」
「え?」
そう問えば、此処に来て初めて顔に朱がさした。
パイロットスーツを脱がした時さえそんな反応しなかったくせに。
「か、関係ないでしょ!?あんたには」
「あるよ」
彼女は何も知らなくて、だからいきつく答えもなくて。
きっとその痕をつけた人の想いさえ、半分位しかわかってないんだ、鈍感だから。
だけど個人的な理由では君は鼻で笑って終わりだろうから
ラウンズとしての答えを返す。
「君に…人質としての価値があるってことさ」
朱に染まっていた顔が急に暗さを帯びた。
僕の想いじゃなく、それをつけた人間の想いの方を示さなければ
彼女の顔色ひとつかえられないことに苛立ちを覚える。
「もし君がこの先ゼロの元に戻るとして
それがまた君の胸に舞っていたら、ゼロはどう思うんだろう?」
中華連邦軍にいたならともかく
こちらに移送されたために彼女の救出は困難になったはずだ。
緻密に練られた奪還計画でもないかぎり、それを許すほどこちらも甘くはない。
そのしるしが消えるには十分な時間。
「……ひどく子どもっぽい嫌がらせの方法ね。趣味も悪いわ。
あんた今のゼロに何か恨みでも?」
それとも嫌がらせしたいのは私に?
冗談ととっったのか、ふっと彼女は鼻で笑った。
そう。今のゼロはユフィを操って、更には殺したルルーシュじゃない、と状況証拠は伝えてくる。
俺が私怨で彼女を汚すことで今のゼロを精神的に傷つける理由にはならない。
…そう彼女は思っているんだろうな。
でも、もっとシンプルなんだよ?カレン。
今胸に舞う緋い蝶が示していること、その意味を。
その絶望を、彼に。
この際、ゼロがルルーシュかどうかなんて殆どどうだっていいんだ。
「どうだろうね。まあ君を彼の元に戻す気はないよ」
「…あんたに情けをかけてもらおうとは思ってないわ」
……★………☆………★……
また時間があるときに加筆してサイトの小話部屋の方に上げたいです…。
×××って大概蝶にはまあ見えんと思う(いや、見えるのもあるかもだけど)のですが、
生きてる=心のあるもの→心変わりのできるものがよかったので、あえて。